顧客優先主義を貫く大原孝治とドンキホーテ
総合スーパーやチェーンストアなど小売業がリーマンショック後の不況にあえぐ中、一人勝ちを続けているのが格安の殿堂大原孝治のドンキホーテです。現在では老舗の総合スーパーと提携を行い、様々な店舗を出店させ今後も拡大予定です。小売りや流通業が不況の影響を受け続ける中、ドンキホーテだけ成長を続けられるのは社長兼CEOである大原孝治氏の力が大きいでしょう。大原孝治氏は、一貫して顧客最優先主義を貫いています。例えばインバウンドの代名詞である中国人観光客に対しても、便利なサービスを次々と導入し心を掴みました。具体的には中国国内では一般的に使われる電子マネーにいち早く対応し、免税店も設けるなど中国人観光客に便利な店舗を作り上げていったわけです。不慣れな日本で自分たちに取って便利なお店があるなら、中国人観光客が訪れるのは当然でしょう。しかも値段は他の店舗より安いですから、ドンキホーテがインバウンド消費を取り込むことに成功するのは当たり前です。その結果、さらなる成長の足元を固めることができました。
インバウンド消費が一段落した現在でも、大原孝治氏の顧客優先主義は貫かれています。高額で一般庶民には手を出しにくいとされる4Kテレビを格安で販売し、ネットや電子マネーを積極的に活用し多くの人に使いやすい店舗を作り続けています。こうした顧客優先主義が貫かれ続けるなら、小売りや流通業のトップはしばらく安泰と言えるでしょう。